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相談と依頼の場合の対応について [報告]

7月の半ば過ぎですがメールフォームより次のようなお問い合わせが有りました。

「・・・・1ヶ月程前から職場の周囲に茶色の猫ちゃんが現れまして、ある時すごく鳴いて訴えかけてくるので、とても迷ったのですがフードをあげてしまったんです。それ以来、私のことをフードをくれる人と覚えて、毎日ずっと私を待つようになってしまいました。
私が責任を持って自宅で飼うべきだと思うのですが、諸事情でどうしても連れて帰ることが出来ないのです。私が無責任にフードをあげてしまったことが原因で、本当に反省しています。
このような場合どうしたら良いか、アドバイスをいただけませんでしょうか?」

このようなことはあちこちで有ります。今までにもたくさんの相談が有りました。
こちらの譲渡会に出した一般の方の子の多くがこういうことから保護したり・引きとったりと里親募集をしてきました。

ですが今は一時預かりさんも全く余裕が無く手一杯になっていますので、引き取る事はできないということから、依頼者の方に保護をお願いしました。

家に連れていかれないということから、ではどうすれば良いかということを話し合います。
私達ボランティアにも力の限界があり、シェルターを持っていないので特に引き取りに関してはどうしても制限が有りますので、たった1日という場合でもそこは話し合って別の方法も考えなければなりません、大体は、成猫のばあい依頼してきた方にお願いしています。

今回の例ですが、歳は1歳以上2~3歳位かなと言う事、オスでチャシロと言う事、どういう子かはあまりよく分からないとのことから、ちょっと調べてもらいました。

チャロくん3.JPG
仮の名前をチャロ君とつけさせていただきました。

周辺の方が他にもご飯を上げている事や、とてもきれいな子で、痩せていない事、人なれできている事から、完全な野良猫ではないという判断になりました。また聞いてもらったところ、飼い主さんはいないので不特定多数の方による外ねこ扱いの子ではないかと判断しました。

とりあえず、TNRの説明と、もし悔いは里親募集出来たらというTNTAの事を説明して、近くの私の知り合いの方に一時的に預かってもらえないか確認しましたもしくは誰かが預かるか・・・・
市の助成金の用紙ももらってきてもらって(今回の分は9月30日までです)手術するところも決めて、捕獲を依頼者のKさんにお願いしました。捕獲器を使わないでキャリーバッグを利用するさりげない方法が良いかなという判断からですが、8月の24日に決行するもあっさりと逃げられてしまったとのことでした。でたり入ったりキャリーを遊び道具の一つと考えてもらってと思ったのですがチャロ君はそうは思ってくれなかったようです(笑)

Kさんも手にけがをしてしまったとのことなので、その場合手袋を利用キャリーはネットで覆う事なども後から話しました。ですがすでに用意はしてあったようで、やはり猫の方がすばしこかったようです。そこで数日後改めて捕獲器を借りてもらって、1週間後再挑戦の結果朝に捕獲できたということでした。即動物病院へ直行、手術・簡易検査と血液検査をしてもらいました。

チャロ君.jpg

結果はエイズ白血共に陰性、体のノミダニなどもOK、検便も問題なしでした。
いろんな方からご飯たっぷり貰っていたので無視やカエルやネズミなど食べなく済んだのか、昼の暑さをしのぐねぐらも比較的奇麗なところだったのか、と想像できます。
今は病院ではなく某所に入院させてもらっています。費用はすべて、Kさんが出してくださっています。

またありがたいことに、Kさんの関係の方が里親さんになってくださることになりました。
長野市ではなく、県外の遠い所となりますが、保護猫を飼っている経験のある方で完全室内飼い、も承知している方とのこと、何よりKさんのよう知っている方ということで、この日曜日にお届けとなりました。高速に乗って全く別の所に婿入りです。
どうぞよろしくお願いします。

今回のような相談は7月だけでも4件有りました。(^-^;

ご近所や自治会の方から注意された、餌をやれなくなってしまった。おなかをすかせていたらかわいそう、心が痛むが、行政からも、「放っておけば猫はどこかへ行く」と言われた。とのことでした。
回覧板が回ったり、後ろ指さされたりと皆さん本当に困っています。

またフリーペーパー新聞の投稿にも「どうしたらいいの?」という一般の方からのこんな投稿が有りました。近くで仔猫が泣いている声が聞こえた親から離れてしまったのかもしれない、保護出来ないし、どうしたら良いか、ということでした。

この場合もまた同じですが、先ずは相談くださいということです。
一緒にどうしたら良いかを考えるしかないです。
私たちもボランティア丸投げでは困るため、相談者の方の事情などと合わせてどうすれば良いのかを決めていきます。

仔猫の場合一か月前後くらいまでは放っておけば死んでしまう事も有るため保護を考えますが、それ以上とか成猫の場合は先ずはご飯や水を上げてもらう、TNRができるかTNTAにするかを決めて、流れを考えます。

文句を言う住民にはチラシや説明文を送って説明してもらいます。
餌を上げなくなれば他へ行くことは無くその先には餓死が待っています。
動物にとっての飢えは本当に恐ろしい事なので、何とか食べ物を得ようと周辺でうろうろ、ごみ箱をあさったり、嫌いな人たちが迷惑と思う行為を繰り返すことになります。挙句はまたそこで増えてしまうという悪循環になります。
不妊化手術は1代限りの命その命と共存するための方向性こそ、SDGsの考えに当てはまります。

嫌いだから、迷惑だから、と排除するのは弱者を排除するという差別や偏見と変わらない事です。
弱者に手を差し伸べてこそ人の道だと思います。

NHKの番組で今年亡くなったCWニコルさんの言っていた印象的な一言が残っています。
「日本人の悪い所は良い人が黙ってしまう事」という事です。
猫が好きな人嫌いな人がもし半々として、その半数の人の声がより強く大きかったとしたら残りの声は聞こえない、または届かないことになります。

ただし、餌をやる人が良い人とは言いませんでたらめなやり方をする方たちもいますので、そこは注意していきます。同じ地球に住む命を守るということでは餌のやり方に注意すればそこは良い事と考えてもおかしくないです。

TNRとTNTAの事をもっともっと理解してもらえるようにボランティアとしても一歩ずつ進んで行けたらと思っています。

餌をやらないようにと言う回覧やチラシは問題の解決になりませんそれをやっている方に対しても差別になってしまいます。

TNRや地域猫、TNTAの普及、啓発こそ、今ある問題を解決することにつながります。



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